大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)3581 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人高沢正治の上告趣意は、末尾添附の別紙記載のとおりである。

上告趣意第一点について。

所論は、憲法三七条三項違反を主張するけれども、その実質は刑訴規則二九条二

項に対する原審の解釈を非難する単なる法令違反の主張であり刑訴四〇五条適法の

上告理由に当らない。のみならず甞て弁護士辻本幸臣がA事件を取扱つたからとて

本件被告事件を担当することが必ずしも違法であるとは認められない。

同第二点について。

所論は、死刑の如き刑罰は憲法の予定しないものであるのに、この点を無視し第

一審死刑の量定を維持した原判決は憲法違反であるというが、このことは原審にお

いて主張判断を経ない事項であるから上告適法な理由とならない。(のみならず憲

法一三条においては公共の福祉という基本的原則に反する場合には、生命に対する

国民の権利といえども立法上制限乃至剥奪されることを当然予想しているものであ

るとなす当裁判所の判例があるから、「昭和二二年(れ)一一九号昭和二三、三、

一二、大法廷判決、集二巻三号一九二頁」論旨は右判例に反する独自の立場に基く

主張で採用の限りでない。)

被告人の上告趣意について。

二通の趣意書は何れも刑訴四〇五条適法な上告理由に当らない。

なお記録を調査したが本件において刑訴四一一条を適用すべき事由もない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

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昭和二九年一月一二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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